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TOP> HOME> Feature Article> 往年のプロスケーターレイ・バービー特集(レイ・バービー)

※画像および文章はUNKNOWN Live magazineに帰属し、断り無く2次使用する事などを禁じちゃいます。

UPDATE:2007年04月27日

往年のプロスケーター、レイバービーの特集です。
近年、スケーターやサーファーが音楽シーンにも大きな影響を与えている。

今回紹介するレイ・バービー( Ray Barbee)トミー・ゲレロ(Tommy Guerrero)やジャック・ジョンソン(Jack Johnson)同様に横乗りを愛しながらも、本業とは別だった趣味からの音楽活動にセンスを発揮し、今やミュージシャンとして注目されている。


レイ・バービーを初めて知ったのは、80代後半パウエルペラルタから出たビデオ「パブリックドメイン (PUBLIC DOMAIN)」だった。

彼はトミー・ゲレロなどのプロライダーからスタイルを認められ、パウエルペラルタの一員となり、ストリートスケートを世に広めていた。

バービーのスケートスタイルはネルシャツにコーディロイパンツ、軽いオーリーにノーコンプライというイメージが強く、リズムに乗った軽い動きが印象的だった。

前回、トミー・ゲレロのレポでも書いたように 80年代はプールやバーチカルランプからストリートへと、大きくスケートシーンが変わった時代である。
そのキッカケとなった伝説のビデオ「パブリックドメイン (PUBLIC DOMAIN)」、そしてスケートムービー「アニマルチン(ANIMAL CHIN)」が世界中のスケーターに大きな影響を与えたのは言うまでも無い。

パブリック・ドメインではバービーがチャット・トーマスら4人と町中を流すシーンが本当に楽しそうで、とてもカッコ良く見えた。「こんなスケーターになりたい!」と当時は誰もが思っていたはずだ。

当時、バービーはスケートをする時はネルシャツにコーディロイパンツと言うスタイルで、他のスケーターとは何か違う雰囲気を持っていたのを覚えている。

プッシュしているのがバービー

トミー・ゲレロがジム・シーボーREAL SKATEBOARDS を立ち上げ、後にゲレロはフォーティーズ(FORTIES)と言うアパレルブランドを立ち上げる。バービーはそのフォーティーズからスポンサードされる事となって、チェック柄のシャツが“バービーシャツ”として販売されていた。
その頃、日本でもネルシャツがスケーターの間で大ブームとなり誰もが一枚は持っていたが、その火付け役がレイ・バービーであるとすれば凄い事だ。

その後、トミー・ゲレロは REALやフォーティーズ等のビデオに自分の楽曲を使い、音楽シーンでも才能を開花させて行く。バービーもその頃からギターに興味を示し、家のガレージで録音していたデモテープをスケーターのトーマス・キャンベルが運営しているギャラクシアレコードに渡し才能を認められたのだった。
バービーのサウンドはエレキ&アコーステックから流れる、メローで独特のリズミカルなフレーズが聞く人の心を暖めさせてくれるが、そんな彼の音が認められたことによって、その後のプロとしての音楽活動が始まって行った様だ。

そして 2001年にはバービー初のミニアルバム「トライアンファント・プロセッション(triumphant procession)」が発売された。しかもそのジャケットデザインはなんとあのランス・マウンテン(Lance Mountain)!ボーンズブリゲードのメンバーだ。

以前、ライブマグでもレポートした The Greenroom Festivalにもバービーは盟友 トミー・ゲレロと共に来日し、サーファーやスケーターを含む多くの人を前にプレイしてみんなをハッピーにした。

その他にはトーマス・キャンベルが監督を務めたサーフムービー「スプラウト (SPROUT)」のサントラにもバービーのゆる〜いアーコースティックギターが使われ、良い味を出していた。
トライアンファント・プロセッション(triumphant procession)

2006年に出たELWOODのスケートシネマ「1 ST&HOPE」でもレイ・バービーの滑りを見ることが出来る。

Los Angelesのダウンタウンなどをクルージングし、街中のスポットを仲間とセッションするこのビデオはまさに80年代に見た「パブリックドメイン」や「アニマルチン」の時代を感じる作り込みで、時代や街中の様子は大きく変わったものの、スケートの原点は何も変わっていない事を感じさせてくれるビデオだ。
そしてレジェンド達と次世代のライダーが一緒に街中を流すシーンは本当に感動物だ。


1st&Hope

現在のバービー




このビデオにバービーのストリートシーンも多く出てくる。軽いオーリーにノーコンプライや 360スライドなど昔と変わらず健在で、その滑りはバービーが今なおスケーターである事を証明していた。2004年にVAVSからシグネーチャースニーカーも出たのも納得だ。

なんとこのビデオ、エリック・ドレッセンやランス・マウンテン、サルマン・アガー等のレジェンド達も多く出演しているので、昔スケートをしていた人はもちろん、これからトライする人にも十分見ごたえあるビデオとなっている。

VANS バービーモデル

ちなみに出演ライダーは、 エリック・ドレッセン(Eric Dressen) 、ブライアン・ロッティ(Brian Lotti) 、ケニー・アンダーソン(Kenny Anderson) 、マイク・キャロル( Mike Carroll) 、マーク・ジョンソン(Marc Johnson)、ポール・ロドリゲス(Paul Rodriguez) 、マーク・アップルヤード(Mark Appleyard) 、PJ・ラッド(PJ Ladd) 、スティーブ・ベラ(Steve Berra) 、サルマン・アガー(Salman Agah) 、マット・ヘンズリー(Matt Hensley)、トム・ノックス(Tom Knox) 、クリス・パストラス( Chris Pastras) 、ランス・マウンテン(Lance Mountain)等 と言う豪華メンバーで、音楽はあのBECKの楽曲使用!ぜひチェックしてみて欲しい。

そんな現役のスケーターでありプロミュージシャン、そして現在のストリートカルチャーとミュージックシーンを繋げているレイ・バービーが新作を発表した。
彼の生み出すギターフレーズは前作「イン・フル・ビュー (in full view)」に代表されるように優しく、そしてとても心地良い。これは一度でも彼の音を聞いたことのある人だったらわかるだろう。

そのバービーの今作はなんと弱冠 21歳の双子ジャズユニット、“The Mattson2”とのコラボレーション作品だった。バンド名もそのまま“RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2”。


イン・フル・ビュー (in full view)

RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2

ちなみに The Mattson2はギターのジャレッド(Jared)とドラムのジョナサン(Jonathan)という編成のユニットである。

気になる新作の中身はというと、もうジャズテイスト満載。 The Mattson2の持つジャズセンスとバービーの音楽がうまく融合し、ゆる〜い感じの新感覚ジャズを作り出している。
そしてバービーのギターは不思議とジャズにも違和感なく溶け込んでいて、相変わらず心地良い。

ワクワクしながら購入した音源で聴く、ジャズと融合した今回のバービーの音楽は全体的に渋みが加わり、少し静かで、とても味わい深いもの、という印象だった。
ジャレッド
ジャレッド
ジョナサン
ジョナサン
RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2来日公演!!

4月8日(日)の夕方6時過ぎ。僕らは単独来日公演が実現したバービーと新バンドをこの目で観ようと渋谷にいた。

はやる気持ちを抑えきれずにビールを片手に会場までの少し裏の路地を歩いていた僕達に、目を疑うような事態が起きた。なんと、すぐ横の路地からバービーとマトソン兄弟達が現れたのだ!

「え〜〜〜!?ちょ、ちょっと!あれ、レイ・バービー達じゃないっすか!?」

あのスーツ姿、間違いない!その 2日前にageHaで行われたSNOWBOMBINGに急遽出演した時と同じくスーツ姿だったので、見間違うことはなかった。一瞬思考回路がパンクしたが、そんな状態で思いっきり彼らを見ているとマトソン兄弟が気付いた様子。

“おっ?彼ら、俺たちのこと知ってるのかな” という感じで目配せをしてきた。

こんなチャンスは滅多にないということで、思いっきり簡単な英単語とボディランゲージを武器に話しかけた。
どうやらマトソン兄弟はカリフォルニア出身で日本は初めてとのこと。初めて訪れる日本で僕達のようなファンに話しかけられて嬉しかったようだ。
一方、バービーはかなりシャイな様子だったが、優しく微笑みかけてくれたのが印象的だった。


外で発見

会場のduo

会場に入ってみてまず感じたのは、案外客層が広いということだった。お客さんの中にはスケーターや業界関係者などが結構混じっていて、中にはちょっと名の知れたミュージシャンなんかもいたりした。

会場の雰囲気を楽しみながらビールをあおっていると、ついに RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2のメンバーが現れた。
やはり全員がちょっと細めのスーツ姿を着こなしていて、大人な雰囲気だ。このバンドはレイ・バービー、ジャレッド&ジョナサンのマトソン兄弟とウッドベースを弾くアカーシー(Aakaash Israni)というメンバー。
ちなみにベースのアカーシーは禅の勉強をしていて日本には何度も訪れているらしく、音楽活動もずっとThe Mattson2と一緒にやっているらしい。


バービー、マトソン兄弟、アカーシーのバンド全員がニコニコしながら、自然に演奏が始まった。その瞬間から観客は RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2の世界に引き込まれた。
静かで、落ち着いた、それでいてまとまりのある音が会場に響く。音源で聴いた、あの音だ。しかし大きいとは言えないその会場で、バービー達の音を楽しみに集まった観客を目の前にした演奏は、次第に熱を帯びていく。


レイ・バービー

ジョナサン

ジャレッド

アカーシー

1曲目から、音源で聴くのとはあきらかに違ったレベルまで演奏のテンションが上がっていた。彼らの演奏を聴きながら、まるでどんどんと空へ昇っていくような高揚感と、身体の芯からの発熱を感じた。

数曲が過ぎる頃には、ジャレッドがチョーキングでギターを鳴かせるたび、バービーが弦を感情的につま弾くたび、そしてジョナサンがシンバルを鳴らしアカーシーがウッドベースを弾(はじ)くたびに、その音、その姿に感情が揺さぶられた。


全ての曲が音源とは別次元の高まりを見せ、彼らのライブバンドとしての凄さを見せつけられた。ライブを見ていない人にあの感じをあえて表現するなら、ジャンルは全く異なるが、次第に高まり昇華されていく感じはテクノミュージックのそれに似ているかも知れない。

ただ音楽自体は全くの別物なので、実際に自分自身で彼らのライブを体験してみるしかないと思う。

そんな最高に濃い 1曲1曲が終わっても熱気の冷めやらないオーディエンスに対し、RAY BARBEE MEETS THE MATTSON2は二度のアンコールに応えてくれた。

集まった人達はこれ以上ない程に彼らの音楽に酔うことが出来た。

そんな、最高の夜だった。

ストリートカルチャーの一部分をスケートという方法で表現してきたレイ・バービーと、弱冠 21歳にして新しいジャズセンスと圧倒的なライブパフォーマンスを見せるThe Mattson2の出会いは、それぞれの分野ではもちろんのこと、その枠を超えてまたひとつ新しい流れを生み出したようだ。

横乗りカルチャーから生まれてくる音楽を聴く楽しみが、またひとつ増えた。



■今回の関連WEB


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